2011年10月30日日曜日

ライオンと魔女

ライオンと魔女           C.S.ルイス作

母から頼まれたので、通信に載せたものを転記します。

「ナルニア国ものがたり」スリーズ7冊の最初の1冊です。
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィがいとこやその友人などと現実の世界からナルニアに行き、ナルニアの国を守るために戦います。

ナルニアの行き方も毎回違っており、引き込まれてしまうほど上手いのです。ナルニア国にいるアスラン(ライオン)の存在がこのお話をただの冒険ファンタジーではなく、コクのあるものにしています。アスラン、ルーシィに会いたいためにナルニアのお話を何回も読む子も多いことでしょう。


この夏、あるお母さんより小学4年生の男の子が前に読んだナルニアを再び手にし読んでいると聞き、何か新鮮な感じがしました。10年位前まではナルニアのお話は本を読む子の必読書のような存在だったのですが、今は手にしてほしい中学年から高学年の子もそこまで行きついていないように思われるからです。

ナルニアを読んだ子にとってアスラン、ルーシィは心の支えのようなものになるのではと思いますし、大人になってナルニアを読んだ私は、子どもの時に読みたかったなぁと強く思った1冊だったからです。
子どものときに出会いもっとワクワクドキドキしながらピーターたちと一緒に行動したかったなぁと。


7冊でナルニアが語られています。どうぞ親子でこのファンタジーを楽しまれてください。このお話の楽しさをお子さんが教えてくれることでしょう。

今、中学1年生の女の子に数年前、私はさぁっと読んでしまった「最後の戦い」のおもしろさとすばらしさを教えてもらいました。その子がナルニア7冊の中で特に好きだと言った3冊の1冊が「さいごの戦い」だったのでした。再び読みうなずけました。

2011年7月22日金曜日

かもさんおとおり

かもさんおとおり                        ロバート・マックロスキー作

ボストンで実際におこった出来事を元にしたお話です。

かものマラードさんとマラードおくさんは巣作りの場所を探していました。
そして、やっと落ち着ける場所を見つけ、卵を産みます。

かもさん夫婦がこがもを産み、育てる様子が温かく、そして正確に描かれています。

かもの親子を見守るボストンの人々も素敵で、全体を通して温かさが感じられるお話です。

2011年7月5日火曜日

親指こぞうニルス・カールソン

親指こぞうニルス・カールソン                  アストリッド・リンドグレーン作

大好きなリンドグレーンの作品です。

リンドグレーンの作品にはピッピのような明るく奔放なもの、カッレくんのような冒険の物語がありますが、前に紹介した「赤い目のドラゴン」のようなこの短編集が好きです。

小人や幼い子供など小さな主人公の希望や勇気、喜び、悲しみのお話です。

少しせつないお話ばかりですが、心にゆっくりと浸る美しいお話ばかりです。

”薄明かり”のような幸せを感じれる本です。

ミリー

ミリー                          グリム原作     モーリス・センダック絵

このお話はグリムからミリーという少女にあてたもので、守護天使のお話です。

戦争が始まり、母親は娘を深い森の奥へ逃がし、3日たって戻ってくるように言います。

娘は森の中で聖ヨセフ、守護天使と出会い、楽しい3日間を過ごします。
そして母親の元へ戻ると、実は30年たっていたのです。

そして、2人は喜びの再会をした後、永遠の眠りにつきます。

母娘は死を迎えますが、これが幸せな結末なんだと感じれます。

母から子どもへの深い愛情を感じれる本です。

他のセンダックの絵本と違って、この絵からは恐ろしさが感じられ、子どもの頃は少し怖いと感じていました。
センダックの力強い絵からは生きること、死について考えさせられます。

2011年6月30日木曜日

たんじょうび

たんじょうび                     ハンス・フィッシャー作

リゼッテおばあさんは、たくさんの動物たちと森のそばの野原に住んでいます。

今日は、リゼッテおばあさんの誕生日。

動物たちはおばあさんのいない間に、誕生日の準備を始めます。

のびやかなお話の中に、おばあさんの動物への愛情、動物たちのおばあさんへの愛情があふれています。

最後におはなしは「こねこのピッチ」へとつながっていきます。

アンガスとあひる

アンガスとあひる                    マージョリー・フラック作

知りたがり屋のスコッチテリアのアンガスのお話です。

アンガスは何でも知りたがりました。なかでも一番知りたがったのは、庭の生け垣の向こうから聞こえてくる音の正体でした。

ある日、生け垣の向こう側に出るチャンスが訪れます。

すると、目の前にいたのは・・・あひるでした。


好奇心旺盛なアンガスの様子がユーモアたっぷりに描かれています。

おかしくも愛らしいアンガスのシリーズとして「アンガスとねこ」、「まいごのアンガス」もありますので、そちらもぜひ読んでみてください。

2011年6月21日火曜日

時の旅人

時の旅人                             アリソン・アトリー作

療養のため母の田舎の古い農場にやってきた、少女ペネロピーが主人公です。

ふとしたことから、16世紀のサッカーズに迷い込み、歴史上の事件に巻き込まれていきます。

過去と未来の”今”の時を生き、現実に自分の周りにいる人たち以上に、16世紀にいる人たちが実在の人のように思えてきます。

そして、16世紀にいる自分を本当にいるべき場所にいるのではと思いながら、16世紀と20世紀を行き来します。

どんなに想ってもあらがうことのできない歴史の事実に心を痛めながら、時を旅する冒険の物語です。

決してハッピーエンドではなく、せつなさが残る最後ですが、美しく心にしみてくるファンタジーです。

はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー

はたらきもののじょせつしゃ けいてぃー              バージニア・リー・バートン作

除雪車けいてぃーのお話です。けいてぃーはじぇおぽりすという町で働いています。

大雪が降りじぇおぽりすの町がすっぽり雪でおおわれた時、けいてぃーの仕事が始まります。

子どもたちはけいてぃーになりきり、南じぇおぽりす、北じぇおぽりす・・・と働くのでしょう。

子どもたちはじぇおぽりすの町の地図のところも大好きで、毎回読んでほしいと言います。

今回、この本を読み返してみて、私がけいてぃーが好きな理由は、けいてぃーが自分の仕事に誇りと責任をもっているからだと気付きました。

これは私が大人になり、仕事をするようになったからこそ感じることなんだと思います。

かしこいビル

かしこいビル                    ウィリアム・ニコルソン作

メリーはおばさんの家へ遊びに行くことになり、荷物をトランクにつめ始めますが、時間がなくなりめちゃくちゃに押し込んでしまいます。

そうしたら、なんと! なんと!!

兵隊の人形のビルを入れ忘れたのです。

ビルは走ってメリーを追いかけます。

お話はわかりやすく単純なようですが、心の奥深いところにじんわりと語りかけてくれる絵本です。

子どもはメリーに感情移入したり、ビルに感情移入したりして楽しむのだと思います。

2011年6月19日日曜日

ふわふわしっぽと小さな金のくつ

ふわふわしっぽと小さな金のくつ            デュ・ボウズ・ヘイワード作

イースターバニーのお話です。

本当はイースターの季節に紹介しようと思っていましたが、気付いた時にはイースターは過ぎてしまっていました。
日本人にはイースターは馴染みのない行事なので、季節に関係なく紹介しようと思います。

イースターバニーには心が優しく、足が速く、とても賢いうさぎにしかなれません。

ふわふわしっぽは子どもの頃イースターバニーに憧れていましたが、今は21匹の子どものお母さんになっています。

しかし、今年のイースターバニーに選ばれて。

しっかりと地に足をつけて、素朴に生きているふわふわしっぽだからでしょうか、物語から温かくも凛としたものを感じます。

勇気と愛情にあふれているお話です。

ちいさな ちいさな えほんばこ

ちいさな ちいさな えほんばこ                    モーリス・センダック作

「ジョニーのかぞえうた」、「チキンスープ・ライスいり」、「アメリカワニです、こんにちは」、「ピエールとライオン」の4冊からなるちいさな絵本箱です。

私が一番好きなのは、「チキンスープ・ライスいり」です。

「JANUARYは1月」で始まる文章は、12か月それぞれの特徴が描かれています。

それでも、どんな月でも、どんな時でも合うのはチキンスープ・ライスいり。

次にくる文章がわかっていても、ついつい「チキンスープ・ライスいり」と口ずさんでしまう楽しさがあります。

チキンスープ・ライスいりがものすごくおいしい食べ物に思えます。

2011年6月16日木曜日

グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく

グレー・ラビットとヘアとスキレル スケートにいく           アリスン・アトリー作

灰色うさぎのグレー・ラビットと大うさぎのヘアとりすのスキレルは森のはずれの小さな家に一緒に暮らしています。

物語には3匹の他に、はりねずみのヘッジやフクロウ博士、もぐらのモールディなどが加わり、森のつつましくも満ち足りた生活が描かれています。

お話の前に「みなさんは、もちろん、知っていらっしゃるとおもいますが、はいいろうさぎのグレー・ラビットの家には、電気もガスもありません。」という文で始まる前がきがあり、お話の世界のイメージをふくらませてくれます。
私は毎回読んでもらっていましたし、ぜひ毎回読んでほしいと思います。


本当にそのような生活があるのではないかと思える、豊かな香りにつつまれ、満足感の得られるお話です。


訳が少しかわっており、私が読んだのは前の訳の本でしたので、上の文も前の訳のまま載せます。

はなのすきなうし

はなのすきなうし                       マンロー・リーフ作

数年前にサンドラ・ブロックがアカデミー賞を受賞した「しあわせの隠れ場所」という映画の中で、この「はなのすきなうし」が物語の重要なキーとして登場します。
映画を見て、あらためてこの本を読みなおしてみました。

フェルジナンドは他の牛とちがって、牧場のコルクの木の下で一日中、花の匂いをかいでいるのが大好きな牛です。

しかしある日、牛買いの男たちが闘牛に出す牛を買いに来ます。


それぞれに個性があるからこそ素晴らしい、他とは違ってもいいじゃないか、自分の気持ちに忠実に生きてもいいじゃないか、そんな気持ちになれる本です。

2011年6月7日火曜日

まぼろしの白馬

まぼろしの白馬                    エルザベス・グージ作

両親を亡くしたマリアは家庭教師のヘリオトロープ先生とスパニエル犬のウィキンズと共に、遠いいとこのベンジャミン卿の古い屋敷を訪れます。

そこでマリアは先祖にまつわる伝説を知り、冒険が始まります。

マリアの気高く、勇敢な心が、止まっていた時を動かし始め、人々の凍っていた心を溶かし始めます。

マリアに厳しくも温かい愛情で接する、ヘリオトロープ先生が素敵です。

ラチとらいおん

ラチとらいおん                       マレーク・ベロニカ作

子供に勇気を与えてくれる絵本です。

世界中で一番の弱虫のラチという男の子が主人公です。

ある日、ラチはらいおんの絵を見て「僕にもこんならいおんがいたら怖くないんだけどなあ」と思います。
すると次の日の朝、ラチのもとにちいさな赤いらいおんが現れます。
「こんなちっぽけならいおんじゃ、何の役にも立たない」と言いますが、らいおんのもとで強くなる訓練が始まります。

子供の姿をのびやかにとらえ、勇気と元気を与えてくれる絵本です。

きみなんか だいきらいさ

きみなんか だいきらいさ           ジャニス・メイ・ユードリー作   モーリス・センダック絵

「ジュームズ」と「ぼく」は仲良しです。どんな時も一緒だったし、みずぼうそうにも一緒にかかるほど大親友でした。

でも きょうは ちがう。

時には、我慢できないくらい気に入らない時もある。


「きみなんかだいきらいさ」


「ぼく」は「ジェームズ」にそう伝えにいきます。

しかし・・・


子供の心をユーモラスにあたたかくまっすぐに描いている絵本です。

お知らせ

先日紹介した「ふたりの世界」シリーズも現在、絶版で手に入りません。

図書館などで探してみてください。 すみません。

2011年6月4日土曜日

すばらしいとき

すばらしいとき                     ロバート・マックロスキー作

詩のような語りで嵐の前後の様子が淡々と語られます。

自然の美しさ、不思議さ、素晴らしさ、偉大さを感じれる本です。


サリーが出てくるお話として「サリーのこけももつみ」、それからサリーが少し大きくなり、妹のジェインも登場する「海べのあさ」もあります。

「サリーのこけももつみ」、「海べのあさ」がどちらかというと、テンポよく物語が進んでいく動画のような物語だとすると、「すばらしいとき」は一場面、一場面の美しさを静かに感じ取る、静止画のような物語だと思います。

私は、子供のころは「海べのあさ」が好きでしたが、大人になったからか、今は「すばらしいとき」が一番好きです。

ふたりの世界

ふたりの世界                       ジョアン・リンガード作

ふたりの世界シリーズです。「ベルファストの発端」「バリケードの恋愛」「ロンドンの生活」「チェシャーの農園」「ウェールズの家族」の5冊です。

今年の5月にイギリスのエリザベス女王が100年ぶりにアイルランドを公式訪問したことが話題となりました。
北アイルランド問題は宗教だけの問題ではありませんが、無宗教の日本人にとって知らない人も多いと思います。

この物語の中で、なぜカトリックの人はプロテスタントのお祭りの太鼓の音を嫌うのか、なぜプロテスタントの子供たちはカトリックの壁に落書きをするのに、オレンジ色のペンキを選んだのか。

私は、この本を読むまで全く知りませんでしたが、どんどん物語に引き込まれていきます。

物語はまさに北アイルランドのベルファストで始まります。
通りをはさんで大人も子供もいがみあって生活をしていた時代に、プロテスタントの少女セイディーとカトリックの少年ケヴィンは出逢い、恋愛が始まります。

2人をとりまく人々も、2人を理解できず拒絶する人、理解し力になろうとする人、理解したいと思っていても、今までの慣習から抜け出せない人など様々です。

私は、特にケヴィンの弟ジェラルドとセイディーのかかわりが好きです。

お知らせ

以前に紹介した詩集の「孔雀のパイ」は現在、絶版で手に入らないそうです。

とても美しい詩ばかりなので、ぜひ一度は読んでほしいのですが残念です。

興味のある方は、図書館なので探してみてください。

2011年5月29日日曜日

みみずくと3びきのこねこ

みみずくと3びきのこねこ               アリス&マーティン・プロベンセン作

「かえでおか農場のいちねん」と共に、かえでおか農場シリーズの一冊です。

前半は、嵐が去った後、たおれた木のうろから出てきたみみずくの赤ちゃんを育て、自然に戻すまでが語られています。

後半は、個性の違う3びきのこねこの様子が語られています。

どちらも、動物のあるべき姿とは何なのか、いるべき場所とはどこなのかが、女の子の目を通して語られています。

頭で理解するのではなく、心で実感する、そんなお話です。

ロージーちゃんのひみつ

ロージーちゃんのひみつ             モーリス・センダック作

子どもが持っているファンタジーの世界にそっと入っていき、その世界を広げてくれる絵本です。

私は4~5歳の頃、この絵本が大好きでよく一人でロージーごっこをしていたそうです。
確かに、一人で毛布をかぶり、遊んでいた記憶がかすかにあります。

単純ではない、いく通りもの子どもの「心」が描かれています。

大人が思っている以上に、子どもが大好きでとりこになる絵本です。

ライオンと魔女

ライオンと魔女                     C.S.ルイス作

ナルニア国物語の第一章です。

創造主のライオン、アスランによって造られた架空の世界ナルニアを舞台に、20世紀のイギリスの少年少女が、与えられた使命を果たす冒険の物語です。

「カスピアン王子のつのぶえ」、「朝びらき丸東の海へ」、「銀のいす」、「馬と少年」、「魔術師のおい」、「最後の戦い」と続いています。

ナルニアの紀元から年代記の順に読むと、「魔術師のおい」からになりますが、「ライオンと魔女」から読む方が、わかりやすいと思います。

大きくなりすぎると、ナルニアには戻れませんが、「最後の戦い」では、これまでの子ども達がまた、ナルニアに戻ってきます。
「ナルニアなんて子どもの頃のお遊び」と言っているただ一人を除いて・・・
信じる心がないとナルニアの世界には入り込めないのですね。

風にのってきたメアリー・ポピンズ

風にのってきたメアリー・ポピンズ               P.L.トラヴァース作

メアリー・ポピンズの話をしたいと思います。有名すぎる人物ですよね。

メアリー・ポピンズは東風の吹く日に、こうもり傘につかまって空から子ども達の元へやってきました。彼女が子ども達を不思議な冒険の世界へと導きます。

メアリー・ポピンズは決して、子どもに優しい人物ではありません。「ふんっ」と鼻をならしたり、買い物に行けば、ショウウィンドウに映る自分の姿にみとれたりします。

それでも、子ども達はメアリー・ポピンズが大好きです。それは、彼女が不思議の世界に連れて行ってくれるからではないでしょうか。

「帰ってきたメアリー・ポピンズ」、「扉をあけるメアリー・ポピンズ」、「公園のメアリー・ポピンズ」と続いています。
ぜひ、一度読んでみてください。

2011年5月27日金曜日

年とったばあやのお話かご

年とったばあやのお話かご              エリナー・ファージョン作

ファージョン作品集の一冊目です。

4人の子ども達が寝る前に、靴下をつぎながら、年とったばあやが子ども達にお話しをする短編集です。靴下の穴が大きければお話しは長くなり、穴が小さければお話は短くなります。
ばあやが今までお世話をしてきた世界中のいろんな場所でのお話です。

ファージョンの物語の世界は豊かな香りと光にあふれています。ぜひ、一度はファージョンの世界に入ってほしいと思います。
ファージョンの世界の入口として、絵本から物語にうつる頃の子どもにおすすめの一冊です。

私は看護師をしていますが、nurseという言葉には、看護師だけでなく、お世話をする人=ばあやという意味もあります。私が看護師になろうと思った時に憧れたnurse像は、優しさのなかに厳しさのある、厳しさの中に優しさのある人でした。まさに、年とったばあややメアリー・ポピンズですね。
次は、メアリー・ポピンズの紹介をしたいと思います。

雨、あめ

雨、あめ                ピーター・スピアー作

梅雨の季節にこちらの本はいかがですか?

言葉のない絵だけで語られている絵本です。
雨の中を、散歩する姉弟の楽しそうな様子が描かれています。
子どもの頃、雨の日は憂鬱ではなく、うれしく、楽しかったことを思い出します。

ぼくにげちゃうよ

ぼくにげちゃうよ             マーガレット・W・ブラウン作

家を出てどこかにいきたくなった子うさぎは、「ぼくにげちゃうよ、〇〇になっちゃうよ。」と言います。
すると、母うさぎは「私は△△になって、おまえをつかまえにいきますよ。」というやりとりが繰り返されます。

母親はいつも温かく、やさしく見守ってくれている、そんな幸せを感じれる一冊です。

ツバメ号とアマゾン号

ツバメ号とアマゾン号                アーサー・ランサム作

ツバメ号の乗組員(ジョン、スーザン、ティティ、ロジャの兄弟)と、アマゾン号の乗り組員(ナンシイ、ペギイの姉妹)を中心に、休暇中のワクワクする冒険が語られています。
船の帆走の知識は全くなくても、物語に引き込まれ、一緒に冒険をしているような気分になります。

12巻までシリーズは続き、スカラブ号の乗組員(ディック、ドロシアの兄弟)も登場します。
いろいろな場所で冒険が繰り広げられますが、私はやはり、1巻の舞台の湖で繰り広げられる冒険が好きです。

2011年5月5日木曜日

販売のご案内

今年も「あまねや工藝店」さんと「手仕事ビワニジ」さんで販売をいたします。
5月のさわやかな風が通る「あまねや工藝店」さんの展示と、青葉が美しい6月の八女での「手仕事ビワニジ」さんの展示に是非、ご家族おそろいでお越しくださいませ。


「あまねや工藝店」
5月27日(金)、28(土)、29(日)
 午前11時~午後7時
 福岡市中央区平尾1-12-2       092-526-0662
                        井上携帯090-9404-3557(当日のみ)



「手仕事ビワニジ」
6月24日(金)、25(土)、26(日)
 午前11時~午後6時
 八女市本町192-1           0943-22-4882
                       井上携帯090-9404-3557(当日のみ)

2011年4月15日金曜日

赤い目のドラゴン

赤い目のドラゴン          A・リンドグレーン作

リンドグレーンの本はどれも子どものころから好きでしたが、その中でも大好きな絵本です。

子ブタが生まれた朝、納屋に子ブタを見に行った兄弟が赤い目をしたドラゴンの赤ちゃんを見つけるところから物語は始まります。

私はこの本を読むといつも涙が出そうになります。

でも、それは悲しい話だからではなく、心の奥深いところにじんわりと温かく入り込んでくれるお話だからなのだと思います。

孔雀のパイ

孔雀のパイ           ウォルター・デ・ラ・メア作

学生の頃、誕生日に母からプレゼントされた詩集です。

私は、仕事で疲れたとき、穏やかな気持ちになりたいときにこの詩集を読みます。

心の奥深くにそっと寄り添うように語りかけてくれる詩ばかりです。

私は特に「いなくなった子どもたち」、「きのどくな、なな嬢」、「木」が好きです。

読んだあと、満ち足りた気持ちになれます。

ルピナスさん

ルピナスさん             バーバラ・クーニー作

海辺の町に住むミス・ランフィオスはルピナスさんと呼ばれています。
それは彼女がルピナスの種を町中にまき、ルピナスの花があふれる町にしたからです。

それは、子どもの頃、おじいさんとした約束のひとつ「世の中をもっと美しくするためになにかをする」ということでした。

世界中のひとがこのことを少しでも考えて行動すればもっと美しい素敵な世の中になるのではないでしょうか。

母より

母から、ブログに載せてほしいといわれたので、次の文章を載せます。


娘がブログを始めてくれました。
福岡市南区長丘で子どもの本の専門店を開いています。
子どもが本を本として出会う二歳半からの本を置いています。
二人の子(娘、息子)と本を読んできたことは貴重な時間であり、その大切さを後からもっと強く感じました。
本屋に行けばたくさんの本がありますが、子どもの本にとって最も大切なことは”質”です。
”質”のある本はまっすぐにきちんと語りかけてくれますし、そのことが子どもの中で発酵をし生きていく力になっていきます。
時々になると思いますが本のことを書いていけたらと思っています。お子さんと本を読んでいらして疑問に思われることなどがありましたら、何でも構いませんのでよこしてください。
子どもの身近にいつも本があり、知識としてではなく体験として本と出会っていってくれることを願っています。
                                      子どもの本や    井上良子

お久しぶりです

久しぶりの更新になってしまいました。

お客さんの中にブログを見ましたと言ってくれた方がいたそうです。

私が書いた文章で「バレエダンサー」に興味をもってくれたそうで嬉しかったです。

これからも、すごくゆっくりなペースではあると思いますが、更新していきたいと思います。

2011年2月8日火曜日

海の島

海の島  ステフィとネッリの物語              アニカ・トール作

ウィーンで育った12歳と7歳のユダヤ人姉妹がスウェーデンの里親の元で育った
1939年8月からの一年間の生活のお話です。

ウィーンの裕福な家庭からスウェーデン本土から離れた小島のつつましい村での
生活のとまどいなどが姉ステフィの目を通して語られています。

スウェーデン政府が里親を募って500人のユダヤ人の子どもを受け入れていたことなど
知らなかった戦争の側面を感じました。

このお話は4部作で、「睡蓮の池」、「海の深み」、「大海の光」と続いています。

全体的にステフィの目線で描かれていますが、2人ととりまく周囲の大人のことも
しっかりと描かれています。

私が一番印象に残っている場面は、ステフィが妹のネッリと話している時に、ステフィは
ドイツ語で話しているのにネッリはスウェーデン語で答えているという場面です。

ステフィはウィーンでの生活、家族のことをしっかり覚えていて、現実を理解できるからこその
つらさがあったと思います。
一方、ネッリにも昔のことを覚えていないからこその順応性の高さ、それによるつらさ、悲しみが
あったのではないか思いました。

2011年2月6日日曜日

くんちゃんのはじめてのがっこう

くんちゃんのはじめてのがっこう          ドロシー・マリノ作

くんちゃんシリーズの一冊です。

こぐまのくんちゃんが一年生になり、初めて学校に行きます。
道々、くんちゃんは出会ったみつばちやこうもりやビーバーに学校に行く喜びを
伝え、スキップしながら行きます。

でも、いざ学校に着いてみると・・・

初めて学校に行く喜びと不安があたたかく描かれています。

少し早いですが、新一年生となるお子さんにいかがですか?

バレエダンサー

バレエダンサー          ルーマ・ゴッデン作

私の好きな本の中でも上位にくる一冊を紹介します。

バレエダンサーをめざす姉弟の物語です。
娘をバレリーナにしたいという母親の愛と期待を一身に受ける姉クリスタルと、
五男で二つ下の弟デューンはもうこれ以上子どもはいらないと思っていた両親の元に生まれてきました。

才能に恵まれ、生まれた時から親に期待され、恵まれた環境の中で進む道を決められていた
クリスタルと、周囲から反対され理解を得られずに、自分で道を選んだデューン。

どちらの方が大変で険しい道だったのでしょうか。 私が初めてこの本を読んだときはデューンが
かわいそうだと思っていました。
でも何回も読み返すうちに、険しい道だったからこそ様々な試練に立ち向かえ、進む道のはっきり
したデューンに対し、周囲に期待され決められていた道だから、クリスタルは自分の意思や信念を見つけにくかったのではないかと感じました。

ぐいぐいと引き込まれ一気に読んでしまうお話です。 ぜひ一度は読んでみてください。

おやすみなさいおつきさま

おやすみなさいおつきさま          マーガレット・ワイズ・ブラウン作

この本は特別な出来事がおこるわけではありません。
うさぎのおばあさんと子どもの住む部屋の様子がうつしだされ、
部屋の中の様々なものにおやすみなさいと優しく呼びかけるのです。

部屋の中がしだいに暗くなり、窓の外では夜空がだんだんと明るくなります。
日が暮れてからすっかり暗くなるまでの時間がゆっくりとうつしだされ、様々なものに
あやすみなさいと言いながら、優しい眠りにつける本です。

販売会のお知らせ

「本がもたらす生きてく力」というテーマで出張販売会をします。
お近くの方はぜひお気軽にお寄りください。

平成23年2月18日 (金)
時間:11:00~17:00

昔話の話をします
13:30~14:30予定

場所:あかりや (銘茶処 「な香むら」 裏車庫2F)
    八女郡広川町吉常295-2
    中村 真美 (電話0943-32-5369)

井上携帯 090-9404-3557(当日のみ)