海の島 ステフィとネッリの物語 アニカ・トール作
ウィーンで育った12歳と7歳のユダヤ人姉妹がスウェーデンの里親の元で育った
1939年8月からの一年間の生活のお話です。
ウィーンの裕福な家庭からスウェーデン本土から離れた小島のつつましい村での
生活のとまどいなどが姉ステフィの目を通して語られています。
スウェーデン政府が里親を募って500人のユダヤ人の子どもを受け入れていたことなど
知らなかった戦争の側面を感じました。
このお話は4部作で、「睡蓮の池」、「海の深み」、「大海の光」と続いています。
全体的にステフィの目線で描かれていますが、2人ととりまく周囲の大人のことも
しっかりと描かれています。
私が一番印象に残っている場面は、ステフィが妹のネッリと話している時に、ステフィは
ドイツ語で話しているのにネッリはスウェーデン語で答えているという場面です。
ステフィはウィーンでの生活、家族のことをしっかり覚えていて、現実を理解できるからこその
つらさがあったと思います。
一方、ネッリにも昔のことを覚えていないからこその順応性の高さ、それによるつらさ、悲しみが
あったのではないか思いました。
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