2011年7月22日金曜日

かもさんおとおり

かもさんおとおり                        ロバート・マックロスキー作

ボストンで実際におこった出来事を元にしたお話です。

かものマラードさんとマラードおくさんは巣作りの場所を探していました。
そして、やっと落ち着ける場所を見つけ、卵を産みます。

かもさん夫婦がこがもを産み、育てる様子が温かく、そして正確に描かれています。

かもの親子を見守るボストンの人々も素敵で、全体を通して温かさが感じられるお話です。

2011年7月5日火曜日

親指こぞうニルス・カールソン

親指こぞうニルス・カールソン                  アストリッド・リンドグレーン作

大好きなリンドグレーンの作品です。

リンドグレーンの作品にはピッピのような明るく奔放なもの、カッレくんのような冒険の物語がありますが、前に紹介した「赤い目のドラゴン」のようなこの短編集が好きです。

小人や幼い子供など小さな主人公の希望や勇気、喜び、悲しみのお話です。

少しせつないお話ばかりですが、心にゆっくりと浸る美しいお話ばかりです。

”薄明かり”のような幸せを感じれる本です。

ミリー

ミリー                          グリム原作     モーリス・センダック絵

このお話はグリムからミリーという少女にあてたもので、守護天使のお話です。

戦争が始まり、母親は娘を深い森の奥へ逃がし、3日たって戻ってくるように言います。

娘は森の中で聖ヨセフ、守護天使と出会い、楽しい3日間を過ごします。
そして母親の元へ戻ると、実は30年たっていたのです。

そして、2人は喜びの再会をした後、永遠の眠りにつきます。

母娘は死を迎えますが、これが幸せな結末なんだと感じれます。

母から子どもへの深い愛情を感じれる本です。

他のセンダックの絵本と違って、この絵からは恐ろしさが感じられ、子どもの頃は少し怖いと感じていました。
センダックの力強い絵からは生きること、死について考えさせられます。