2011年2月8日火曜日

海の島

海の島  ステフィとネッリの物語              アニカ・トール作

ウィーンで育った12歳と7歳のユダヤ人姉妹がスウェーデンの里親の元で育った
1939年8月からの一年間の生活のお話です。

ウィーンの裕福な家庭からスウェーデン本土から離れた小島のつつましい村での
生活のとまどいなどが姉ステフィの目を通して語られています。

スウェーデン政府が里親を募って500人のユダヤ人の子どもを受け入れていたことなど
知らなかった戦争の側面を感じました。

このお話は4部作で、「睡蓮の池」、「海の深み」、「大海の光」と続いています。

全体的にステフィの目線で描かれていますが、2人ととりまく周囲の大人のことも
しっかりと描かれています。

私が一番印象に残っている場面は、ステフィが妹のネッリと話している時に、ステフィは
ドイツ語で話しているのにネッリはスウェーデン語で答えているという場面です。

ステフィはウィーンでの生活、家族のことをしっかり覚えていて、現実を理解できるからこその
つらさがあったと思います。
一方、ネッリにも昔のことを覚えていないからこその順応性の高さ、それによるつらさ、悲しみが
あったのではないか思いました。

2011年2月6日日曜日

くんちゃんのはじめてのがっこう

くんちゃんのはじめてのがっこう          ドロシー・マリノ作

くんちゃんシリーズの一冊です。

こぐまのくんちゃんが一年生になり、初めて学校に行きます。
道々、くんちゃんは出会ったみつばちやこうもりやビーバーに学校に行く喜びを
伝え、スキップしながら行きます。

でも、いざ学校に着いてみると・・・

初めて学校に行く喜びと不安があたたかく描かれています。

少し早いですが、新一年生となるお子さんにいかがですか?

バレエダンサー

バレエダンサー          ルーマ・ゴッデン作

私の好きな本の中でも上位にくる一冊を紹介します。

バレエダンサーをめざす姉弟の物語です。
娘をバレリーナにしたいという母親の愛と期待を一身に受ける姉クリスタルと、
五男で二つ下の弟デューンはもうこれ以上子どもはいらないと思っていた両親の元に生まれてきました。

才能に恵まれ、生まれた時から親に期待され、恵まれた環境の中で進む道を決められていた
クリスタルと、周囲から反対され理解を得られずに、自分で道を選んだデューン。

どちらの方が大変で険しい道だったのでしょうか。 私が初めてこの本を読んだときはデューンが
かわいそうだと思っていました。
でも何回も読み返すうちに、険しい道だったからこそ様々な試練に立ち向かえ、進む道のはっきり
したデューンに対し、周囲に期待され決められていた道だから、クリスタルは自分の意思や信念を見つけにくかったのではないかと感じました。

ぐいぐいと引き込まれ一気に読んでしまうお話です。 ぜひ一度は読んでみてください。

おやすみなさいおつきさま

おやすみなさいおつきさま          マーガレット・ワイズ・ブラウン作

この本は特別な出来事がおこるわけではありません。
うさぎのおばあさんと子どもの住む部屋の様子がうつしだされ、
部屋の中の様々なものにおやすみなさいと優しく呼びかけるのです。

部屋の中がしだいに暗くなり、窓の外では夜空がだんだんと明るくなります。
日が暮れてからすっかり暗くなるまでの時間がゆっくりとうつしだされ、様々なものに
あやすみなさいと言いながら、優しい眠りにつける本です。

販売会のお知らせ

「本がもたらす生きてく力」というテーマで出張販売会をします。
お近くの方はぜひお気軽にお寄りください。

平成23年2月18日 (金)
時間:11:00~17:00

昔話の話をします
13:30~14:30予定

場所:あかりや (銘茶処 「な香むら」 裏車庫2F)
    八女郡広川町吉常295-2
    中村 真美 (電話0943-32-5369)

井上携帯 090-9404-3557(当日のみ)