2011年10月30日日曜日

ライオンと魔女

ライオンと魔女           C.S.ルイス作

母から頼まれたので、通信に載せたものを転記します。

「ナルニア国ものがたり」スリーズ7冊の最初の1冊です。
ピーター、スーザン、エドマンド、ルーシィがいとこやその友人などと現実の世界からナルニアに行き、ナルニアの国を守るために戦います。

ナルニアの行き方も毎回違っており、引き込まれてしまうほど上手いのです。ナルニア国にいるアスラン(ライオン)の存在がこのお話をただの冒険ファンタジーではなく、コクのあるものにしています。アスラン、ルーシィに会いたいためにナルニアのお話を何回も読む子も多いことでしょう。


この夏、あるお母さんより小学4年生の男の子が前に読んだナルニアを再び手にし読んでいると聞き、何か新鮮な感じがしました。10年位前まではナルニアのお話は本を読む子の必読書のような存在だったのですが、今は手にしてほしい中学年から高学年の子もそこまで行きついていないように思われるからです。

ナルニアを読んだ子にとってアスラン、ルーシィは心の支えのようなものになるのではと思いますし、大人になってナルニアを読んだ私は、子どもの時に読みたかったなぁと強く思った1冊だったからです。
子どものときに出会いもっとワクワクドキドキしながらピーターたちと一緒に行動したかったなぁと。


7冊でナルニアが語られています。どうぞ親子でこのファンタジーを楽しまれてください。このお話の楽しさをお子さんが教えてくれることでしょう。

今、中学1年生の女の子に数年前、私はさぁっと読んでしまった「最後の戦い」のおもしろさとすばらしさを教えてもらいました。その子がナルニア7冊の中で特に好きだと言った3冊の1冊が「さいごの戦い」だったのでした。再び読みうなずけました。

2011年7月22日金曜日

かもさんおとおり

かもさんおとおり                        ロバート・マックロスキー作

ボストンで実際におこった出来事を元にしたお話です。

かものマラードさんとマラードおくさんは巣作りの場所を探していました。
そして、やっと落ち着ける場所を見つけ、卵を産みます。

かもさん夫婦がこがもを産み、育てる様子が温かく、そして正確に描かれています。

かもの親子を見守るボストンの人々も素敵で、全体を通して温かさが感じられるお話です。

2011年7月5日火曜日

親指こぞうニルス・カールソン

親指こぞうニルス・カールソン                  アストリッド・リンドグレーン作

大好きなリンドグレーンの作品です。

リンドグレーンの作品にはピッピのような明るく奔放なもの、カッレくんのような冒険の物語がありますが、前に紹介した「赤い目のドラゴン」のようなこの短編集が好きです。

小人や幼い子供など小さな主人公の希望や勇気、喜び、悲しみのお話です。

少しせつないお話ばかりですが、心にゆっくりと浸る美しいお話ばかりです。

”薄明かり”のような幸せを感じれる本です。

ミリー

ミリー                          グリム原作     モーリス・センダック絵

このお話はグリムからミリーという少女にあてたもので、守護天使のお話です。

戦争が始まり、母親は娘を深い森の奥へ逃がし、3日たって戻ってくるように言います。

娘は森の中で聖ヨセフ、守護天使と出会い、楽しい3日間を過ごします。
そして母親の元へ戻ると、実は30年たっていたのです。

そして、2人は喜びの再会をした後、永遠の眠りにつきます。

母娘は死を迎えますが、これが幸せな結末なんだと感じれます。

母から子どもへの深い愛情を感じれる本です。

他のセンダックの絵本と違って、この絵からは恐ろしさが感じられ、子どもの頃は少し怖いと感じていました。
センダックの力強い絵からは生きること、死について考えさせられます。

2011年6月30日木曜日

たんじょうび

たんじょうび                     ハンス・フィッシャー作

リゼッテおばあさんは、たくさんの動物たちと森のそばの野原に住んでいます。

今日は、リゼッテおばあさんの誕生日。

動物たちはおばあさんのいない間に、誕生日の準備を始めます。

のびやかなお話の中に、おばあさんの動物への愛情、動物たちのおばあさんへの愛情があふれています。

最後におはなしは「こねこのピッチ」へとつながっていきます。

アンガスとあひる

アンガスとあひる                    マージョリー・フラック作

知りたがり屋のスコッチテリアのアンガスのお話です。

アンガスは何でも知りたがりました。なかでも一番知りたがったのは、庭の生け垣の向こうから聞こえてくる音の正体でした。

ある日、生け垣の向こう側に出るチャンスが訪れます。

すると、目の前にいたのは・・・あひるでした。


好奇心旺盛なアンガスの様子がユーモアたっぷりに描かれています。

おかしくも愛らしいアンガスのシリーズとして「アンガスとねこ」、「まいごのアンガス」もありますので、そちらもぜひ読んでみてください。

2011年6月21日火曜日

時の旅人

時の旅人                             アリソン・アトリー作

療養のため母の田舎の古い農場にやってきた、少女ペネロピーが主人公です。

ふとしたことから、16世紀のサッカーズに迷い込み、歴史上の事件に巻き込まれていきます。

過去と未来の”今”の時を生き、現実に自分の周りにいる人たち以上に、16世紀にいる人たちが実在の人のように思えてきます。

そして、16世紀にいる自分を本当にいるべき場所にいるのではと思いながら、16世紀と20世紀を行き来します。

どんなに想ってもあらがうことのできない歴史の事実に心を痛めながら、時を旅する冒険の物語です。

決してハッピーエンドではなく、せつなさが残る最後ですが、美しく心にしみてくるファンタジーです。